ごみの山
パリ市立美術館へ行った後、隣のパレ・ドゥ・トーキョウへ行ったことを書くのを忘れていた。今回は「SuperDome」という展示で、Christoph Büchel の"Dump"という作品が興味深かった。
巨大なごみの山から一本の太いチューブが出ている。そこを覗く人たちがいる。なんだろうと眺めていると、中からふ~暑い暑いといわんばかりの、汗だくの女性二人組みがでてきた。頭にはヘルメット。どうやらこのチューブからごみの山の中に入れるらしい。入るには予約がいるらしいのだけど、たまたまその次に入る人が誰もいなくて、するすると中に入ることになってしまった。ヘルメットをかぶり、這いつくばりながらチューブを上っていく。入り口には係りのおにいちゃんがいて、この人が案内人をしてくれる。腰を曲げなければ歩けないほどの天井の低い、ごみのダンジョンを歩いていく。ここはベットで、ここはキッチンと説明をされるが、とにかく、ものが多くて、なにが何だか分からない。ペットボトルに、たばこ、注射針の山や雑誌、サッカーを写すノイズを発するテレビや、図書館のように古本がびっしりの一室、数台の足踏みミシン。窓が全くないのか、とても空気が悪い。狭い戸口を抜け、木の階段を上ると、古めかしい車が見える。修理をしているのか。そして、その下にはまたベット。そこを通り抜けると、今までとは別の風景が広がる。天井が今までに比べると格段に高く、辺りを見渡せる部屋。食堂があり、コンサートステージがあり、バーがある。ここで、ここに住まう人たちが一斉に集まるのだろう。隠された底の人たちのごみの住居。ここの地点ですでに、自分が美術館の中にいることを忘れてしまっていた。方向感覚もない。異空間に迷い込んだ。
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by shinichitakeda | 2008-06-26 07:55
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