パリはマレ地区でギャラリーを巡る。3年前に展示に参加したPssage de Retzにも久々に行ってみた。ギャラリーの人に挨拶をしたら、レッツゴー、と中に入れてもらえた。展示を見終わり、ありがとうと告げると、あれ、DVDはギャラリーの方へ渡すんだっけ、それとも直接?と聞かれた。一瞬よく分からなかったけど、グループ展が多いここにはたくさんのアーティストが出入りをしているから、間違えるのも無理はない。誰と間違えたのかな。
galerie Frank Elbaz>での展示は、注意しないと見逃してしまう作品が多かった。落ちているビニール袋でさえ、ギャラリー内となれば、何かある、と思ってしまう。なかでも壁に残された金色のネジがとても気になった。ちゃんとしたギャラリーなら、そんなことは普通はありえない。絵や写真を外した後はちゃんとネジをとり、壁を埋め、ペンキを塗り直す。平面の場合はこれをタームごとに繰り返している。その何でもない(”展示”の前提になっている)ところをうまく作品に昇華していると思う。それはネジが18金やダイヤモンドなどの高価な素材でできており、見る者を試すようなアイロニーが込められているから。この作品の作者、Susan Collis>1>2は他にも、刺繍で布のしみをつくり出し、ペンキの飛び散りをパールで模倣する。莫大な時間と労力をかけ、そこら辺にある何の変哲もないものをつくること。
by shinichitakeda
| 2008-09-11 08:16
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PROFILE
武田晋一
広島生まれ。2003年よりフランスに渡り、2009年にENSA Bourgesを卒業。同年10月より日本を拠点に活動開始。 Shinichi Takeda's web site LINKS やまのぼり Ckinoko's blog Joey's artworks White Corners's Blog 以前の記事
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