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2008年 03月 18日 ( 1 )
minéral
Fernand Deligny(1913-1996)という教育研究者の 『le moindre geste』(1971, N&B, 95min)>を見る。62年〜64年までの2年間、Yvesという自閉症の子供を中心に、山岳地方Cévenneで撮影されたドキュメンタリーとフィクションを混ぜた白黒映画。実際映画にしたのはJean Pierre Danielという若い映画監督で、69年にトランクにしまわれていたフィルムを編集し、71年にカンヌで発表した。しかし、それから30年あまり忘れ去られる。この映画は2004年になって初めて市場にでたらしい。

この映画にストーリーというストーリーは特にない。施設を抜け出したYvesは、ただそこらをうろつき、ひもを引っ張ったり、結んだりを繰り返す。詩のような言葉を繰り返し、ただ叫ぶ。少年の遊びを見てるような映像がひたすら続く。一人の少女が彼を施設に連れて行く。Yvesは人の絵を描く。

映像と音が別々に進行してる。昼間に撮影、夜に録音が行われたらしい。アテレコとは少し方向の違う音の使われ方。特に人物や風景に合わせていない。例えば、Yvesが山を歩いているシーンで、どこからともなく呪文のような言葉が繰り返され、シャベルで土を掘る音に、金属で石を叩く音が重ね合わされるような挿入の仕方。そういう音が必ずしも映像とリンクしていないんだけど、想像が膨らむ。石を砕く機械の音、川のせせらぎ、時計のこつこつ、クラクションに人のざわめき。特に鉱物の音ーー洞窟の中で岩がころころいう音、石と金属のぶつかる音などーーがこの映画を通して響いていた。砂ぼこりが舞う乾いた土地には川が流れる。石でできたごつごつの家。3かける3は10だと思う。Yvesの言葉。
うまく聞き取れなかったYvesの独り言の一部がここに>
by shinichitakeda | 2008-03-18 07:16