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2008年 09月 04日 ( 1 )
ラスコーへ
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ラスコーの洞窟へ行く。車がないので、電車でゆらりとでかける。ラスコーのあるMontignacという街の最寄りの駅、Condat-Le-Lardinをとりあえず目指す。途中Brive la gaillardという所で乗り換え、目的の駅に到着。想像していた通り、廻りに工場くらいしかないので、駅員さんにタクシーを呼んでもらう。夕方に戻って来るよと告げると、この駅員さんは親切にも荷物を預かってくれた。ありがたい。ここからMontignac-Lascauxまでは約20分くらいで、その街と洞窟は2キロくらい離れている。シーズンオフの時は街でチケットを買わないといけないらしい。

1940年に発見された(最初に見つけたのは犬らしい)ラスコーは、63年に、空気中の二酸化炭素の超過(主に観光客の息)が原因とされる壁画の破損(苔や緑色の藻類による着色)のため閉鎖された。現在見れるのは、10年以上を費やしてつくられた本物そっくりのイミテーション洞窟。これがすごかった。洞窟の反響や、暗さ、絵の位置が体で実感できた。本物と同じ材料で描かれたという壁画は、洞窟の凹凸を利用して描かれているのがよく分かる。洞窟の画家はろうそくを使って描いていたらしい。面白しろいのは、火が揺らめくこと。そして、自分の目の前だけが明るくなること。

火が揺らめくというのは、明るくなったり、暗くなったりが繰り返される。コマがぱっぱと切り替わるように、描かれた動物があたかも動いているような感じを得る。マイブリッジの連続写真のような馬の走る姿が順々に描かれていたけど、それはまさしく描いている本人が、光と影の躍動の中で、イマジネーションと一体となって描いていたのだと思う。だからこの画家の目には、ただのぺたっと張り付いた絵ではなく、動画として見えていたのかもしれない。

真っ暗の中に身をおくと、体が消え、自分が闇の中へ広がっていくような感覚になることがある。ろうそくの火は、目の前の限られた範囲をゆらゆら照らす。今度は眼前に広がる小さな世界が、自分であるような錯覚に陥る(かなりの妄想だけど)。

壁画で大きいものは4、5メートルにも及ぶ。ろうそくの火は少しずつ、線をなぞるようにスライドしていく。
by shinichitakeda | 2008-09-04 22:26